時差2秒の笑い 1話
解散だな。
そう相方に告げられたのは何人目だろうか。
夜の居酒屋で、若手芸人のいる楽屋で、
所属しているお笑い事務所で、、、
何度も告げられる解散の話しは
何度聞いてもツライのだが。
お笑いを辞めるつもりは一切なかった。
いや、むしろ
お笑い以外やりたいことがなかった。
成田は所属するお笑い事務所と妻に
浮気していることがバレて夜道をフラフラと歩いていた。
丁度良い所に24時間営業の居酒屋を見つけ
吸い寄せられるように入ってゆく。
色葉「ちょっとお兄さんお兄さん!
ハイボールにレモン入れないでって言ったよね私ー?
2回目だよ2回目!新しいヤツ持ってきて!」
成田が入った部屋で
金髪の女性が無駄に大きな声で新人店員に絡んでいた。
成田が案内されたのはカウンター席で
しかもさっきの金髪の女性の2個隣の席だった。
成田「はー。ついてないなあ。
でもあの子は相変わらず綺麗だったなあ。」
つい30分前で成田は
妻とは違う女性とホテルで会っていた。
その子の事を思い出しながら注文したレモンサワーを飲んでいた。