けいとの日常

映画やアニメについてボヤきます!

ヴィンランド・サガ①

西暦1002年のアイスランド

トルフィンは父親のトールズ、母親のヘルガ、そして姉のユルヴァと暮らしていました。

 

土地は貧しく、近隣で揉め事はあるものの、それでも慎ましく(つつ)平和な日々でした。

ある日、その平和を壊す一隻の軍船が現れました。船に乗っていたのは、北海最強を誇る傭兵団ヨーム戦士団のフローキとその部下でした。フローキは近々イングランドとの大規模戦争が始まることを告げ、トールズに帰隊を促(うなが)しました。トールズは戦いの日々に嫌気が差し、自分は戦死したように見せかけて、妻子を連れて戦士団を出奔(しゅっぽん)(逃げ出しくらますこと)していたのです。

 

出奔の罪を帳消しにする代わりに、イングランド戦線に参加せよ、というのが戦士団首領の命令でした。背(そむ)けばアイスランドの住民の命はない。渋々了承したトールズは、最低限の人員を

募って船で出港します。

 

年頃の少年らしく戦士に憧れ、冒険譚(だん)に目を輝かせていたトルフィンがこの機会を見逃すわけがありません。彼はこっそり乗船していました。トールズがトルフィンを見つけた時には、もう引き返せないほど進んだ後でした。

 

一路、目的地の中継地点であるフェロー諸島に向かう一行。そこでは密かに、フローキからトールズ暗殺の命を受けたアシュラッド兵団が待ち受けていました。戦士団で出世狙うフローキにとって、トールズ帰隊は邪魔でしかなかったのです。

 

一行の無事だけでなく、彼の不殺の信念によって敵の一団も傷つけたくなかったトールズは、首領アシュラッドに対して決闘を申し込みます。トールズは激戦の末、見事にアシュラッドを下しますが、先走った部下によってトルフィンを人質に取られてしまいました。

 

トールズはアシュラッドに対して決闘の勝利を宣言し、一行の無事を保証させてから自ら命を差し出し、事態を収めました。

 

残った者達は無事に解放されますが、トルフィンは1人でアシュラッド兵団の船に乗り込みます。目の前で自分のために殺された父親の復讐を果たすために。